気分が歩き方に影響するのは明らかですが、歩き方はどのように気分に影響するのでしょうか?
気分が良いときには、肩を後ろに回して腕を振りながら颯爽と歩くなど、気分を反映した歩き方になることはよく知られています。
歩き方を見れば、自分自身よりも他人の方が気分を反映していることもあります。
その逆の効果もあることがわかりました。つまり、幸せそうな歩き方を真似すると、自分でも気づかないうちに幸せな気分になっているというのです。
被験者がポジティブな言葉とネガティブな言葉のリストを見て歩きました。
各人の歩行と姿勢が継続的に測定され、視覚的にフィードバックされました。
スクリーン上では、歩き方を変えてバーをどちらかに動かすことが求められました。
自分では気づかないうちに、楽しい歩き方をするとバーが一方の方向に動き、憂鬱な歩き方をするとバーが他方の方向に動いていました。
望む方法で歩くことを非常に早く覚えてしまうのです。
その後、先ほど見せられたポジティブな言葉とネガティブな言葉をできるだけ多く書き留めてもらいました。
その結果、明るく楽しい歩き方をしていた人は、ポジティブな言葉をより多く覚えており、幸せな気分になっていたことがわかりました。
一方、肩を丸めてうつむき加減に歩いていた人は、ネガティブな言葉をより多く記憶していることがわかりました。
これは、うつ状態の人が、ポジティブな出来事よりもネガティブな出来事を思い出す傾向が強いという結果と一致します。
ネガティブな出来事を思い出す傾向は、憂鬱な精神状態を持続させる悪循環の一部なのです。
もし、その自己増殖サイクルを断ち切ることができれば、鬱病患者を治療するための強力なツールになるかもしれません。
それでは、肩を後ろに回し、腕を振って、元気に跳ねてみましょう。