最近の研究によると、簡単な「自己暗示」を行うことで記憶力が劇的に向上することが明らかになりました。この自己暗示のテクニックは、健康な人も記憶障害のある人も関係なく効果があるとされています。自己暗示とは、物事が自分とどのように関連しているかを想像することで、記憶を高める方法のことを指します。
自己暗示の効果を検証した研究内容
研究では、記憶障害のある人とない人を対象に、性格特性に関連する一連の単語を記憶するよう求められました。参加者は、以下の5つの異なる戦略のうち1つを使用しました。
- 特徴と韻を踏んでいる単語を思い浮かべる(ベースライン)
- その特性の定義を思い浮かべる(意味的精緻化)
- その特性が自分をどのように表現しているかを考える(意味的自己言及処理)
- その特性を演じたときのことを考える(エピソード的自己言及処理)
- 自分がその特性を演じたときのことを考える、その特性を演じることを想像する(自己想像)
自己想像が最も効果的な記憶術
その結果、記憶に問題があってもなくても、自己想像が最も有効な戦略であることが明らかになりました。基本条件と比較して、自己イメージ戦略は、人々が覚えていることを約3倍近くに増やすことができました。
自己言及効果との関連性
この結果は、「自己言及効果」の延長線上にあるものです。自己言及効果とは、自分自身に関連するものをよりよく記憶する傾向のことを指します。つまり、意味が自分自身に一般的に関連しているか、あるいは特定の時間と場所に関連しているかによって記憶力が変わるのです。
自己認識と関連づけることで記憶力アップ
過去の研究でも、記憶すべき情報を自己認識と関連づけて処理することで、他の認知戦略よりも記憶力が向上することが実証されています。自己想像のテクニックは、この自己言及効果を最大限に活用した記憶術と言えるでしょう。