加齢とともに短期記憶力が低下する人と、そうでない人がいるのはなぜでしょうか。
ストレスホルモンであるコルチゾールと短期記憶の問題に関連性があることが分かりました。
コルチゾールは、困難な状況に対処するためにストレスを受けたときに分泌される自然なホルモンですが、長期的な影響を受けると短期記憶に悪影響を及ぼす可能性があります。
コルチゾールの長期暴露と短期記憶の問題を関連付けています。
高濃度のコルチゾールが、短期記憶に重要な構造である前頭前野のシナプスの消失と関連していることが分かりました。
人間の短期記憶が数分で減衰するのと同じように、短い時間でどちらの方向に曲がるべきかを忘れてしまう方もいましたが、コルチコステロン濃度が高い方が忘れやすいです。
コルチコステロンの濃度が低いと80%の確率で方向を正しく理解していたが、コルチコステロンの濃度が高い場合は58%の確率でしか方向を正しく理解できなかったです。
脳を調べてみると、ストレスで忘れっぽくなったラットは、前頭前野のシナプスの数が20%も減少しており、これが短期記憶の喪失の原因であることがわかりました。
また、高齢と若い方を比較したところ、ストレスホルモンの濃度が低い高齢の場合は、若い場合と同等の能力を発揮しました。
一方、ストレスホルモンの濃度が高い方は、同じようにはいかなかったです。
加齢によって記憶力が劇的に低下する人と、比較的影響を受けない人がいることの説明に役立つかもしれません。