脳の灰白質が減っているサイン
お腹の周りに余分な体脂肪を抱えている人は、脳が小さいと結論づけられました。
ボディマス指数が高く、ウエストが大きい人は、灰白質が少ないことがわかりました。
脳の縮小は、認知症や記憶障害のリスクを高めることにつながります。
健康的な体重の人は灰白質が多く、したがって脳も健康的である可能性が高いことが示唆されました。
脳の縮小が記憶力の低下や認知症のリスクを高めることが指摘されていますが、余分な体脂肪が脳の大きさを保護するのか有害なのかについては結論が出ていません。
大規模なグループを対象とし、肥満、特に中央部周辺の肥満が脳の縮小と関連している可能性があることがわかりました。
相手に脳スキャンを行い、体脂肪を評価しました。
その結果、体脂肪が多い人は、脳内の「灰白質」が少ないことがわかりました。
灰白質とは、情報を処理する脳の部分で、脳細胞とそれに付随する構造を指します。
調査では、肥満、特に中年前後の肥満が脳の灰白質体積の低下と関連していることがわかりましたが、脳の構造の異常が肥満につながるのか、それとも肥満がこのような脳の変化を引き起こすのかは不明です。
また、肥満と脳の特定の領域の縮小との関連もわかりました。
定期的にBMIやウエスト・ヒップ比を測定することで、脳の健康状態を判断できるようになるかもしれません。
BMIが30以上の人は肥満とみなされます。
男性では、ウエスト・ヒップ比が0.9以上の場合、中枢性肥満とされます。
女性の数値は0.85です。
肥満は、認知症や記憶障害のリスクを高める可能性があります。肥満は、脳の萎縮を促進するとされています。特に、おなか周りが大きいいわゆるメタボ体型で、BMIが30以上ある人では脳の萎縮が最大になるとされています。
肥満により代謝異常が起きると血流が滞りやすくなります。脳への血流が滞り、脳の機能低下を招くこともあります。また、肥満になると大脳皮質が薄くなるという研究データがあります。大脳皮質が薄くなると認知機能の低下の原因となり、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まるといわれます。
健康的な体重を維持することは、認知症や記憶障害のリスクを減らすために重要です。適切な食事や運動、ストレス管理などを行い、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。