肉じゃがレシピ人気の作り方|味しみ抜群の定番和食を失敗なく作る

肉じゃがレシピを検索するとき、「なんとなく作れるけど、なぜかお店みたいな味にならない」と感じたことはありませんか。じゃがいもが煮崩れてしまったり、味が薄くて物足りなかったり、肉がパサついたり。実は、肉じゃがの仕上がりを左右するポイントはいくつかあって、それを知っているかどうかで、まるで別の料理になります。
この記事では、料理研究家として10年以上、何度も試作を繰り返して辿り着いた「失敗しない肉じゃが」の作り方をすべてお伝えします。調味料の黄金比率から火加減のコツ、よくある失敗の回避策まで、この記事を読めばはじめての方でも必ず味しみ抜群の肉じゃがが作れます。
肉じゃがの基本情報
まずは今回のレシピの概要を確認しておきましょう。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 調理時間の目安 | 約40分(下ごしらえ含む) |
| 難易度 | 初級〜中級 |
| カロリー目安 | 1人前あたり約320〜380kcal |
| 何人前 | 4人前 |
カロリーは使う肉の種類や量によって変わります。牛肉を使うと脂質が多くなるため、豚肉や鶏もも肉に変えるとカロリーを抑えられます。
材料と分量(4人前)
メイン食材
| 食材 | 4人前 | 2人前 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 牛薄切り肉(または豚薄切り肉) | 200g | 100g | 切り落とし、こま切れでも可 |
| じゃがいも | 4個(約600g) | 2個(約300g) | メークインか男爵どちらでも |
| 玉ねぎ | 2個(約400g) | 1個(約200g) | 中サイズ |
| にんじん | 1本(約200g) | 1/2本(約100g) | |
| 絹さや | 12枚 | 6枚 | なければグリーンピースでも可 |
| サラダ油 | 大さじ1(12g) | 小さじ2(8g) | ごま油にすると風味が増す |
調味料(黄金比率)
| 調味料 | 4人前 | 2人前 | 代用 |
|---|---|---|---|
| だし汁 | 300ml | 150ml | 水+だしの素小さじ1/2でも可 |
| 醤油 | 大さじ3(45ml) | 大さじ1と1/2 | |
| みりん | 大さじ3(45ml) | 大さじ1と1/2 | 砂糖大さじ1+酒大さじ2で代用可 |
| 砂糖 | 大さじ1と1/2(18g) | 大さじ3/4 | |
| 酒 | 大さじ2(30ml) | 大さじ1 |
この調味料の比率は「だし:醤油:みりん:砂糖:酒=20:3:3:1:2」です。試作を5回以上繰り返して辿り着いた黄金比率で、甘すぎず、しょっぱすぎない家庭的な味わいになります。醤油をさらに大さじ1減らすと関西風のやさしい甘口に、砂糖を大さじ1増やすと東京の甘めの老舗食堂風になります。
アレルギー情報
この料理は小麦(醤油)を含みます。グルテンフリーにしたい場合はグルテンフリー醤油や米醤油に置き換えてください。みりんにも微量のアルコールが含まれます。
下ごしらえ・準備のポイント
調理をスムーズに進めるために、始める前に以下の準備をしておきましょう。
- じゃがいもは皮をむき、一口大(約3〜4cm角)に切ったあと、水を張ったボウルに5分ほどさらしてアクを抜く。水にさらすことでデンプン質が落ち、煮崩れしにくくなります。
- 玉ねぎは根元を切り落としてから縦半分に切り、さらに横に5mm幅のくし形に切る。繊維を断ち切るように切ると火の通りが早く、甘みが引き出されやすくなります。
- にんじんは皮をむき、乱切り(約2〜3cm角)にする。乱切りにすることで断面積が増え、味がしみ込みやすくなります。
- 牛肉(または豚肉)は食べやすい大きさ(約4〜5cm幅)に切り、室温に10分ほど戻しておく。冷蔵庫から出したばかりの肉は中心まで火が通りにくいため、少し常温に置くことで均一に加熱できます。
- 絹さやは筋を取り、塩を加えた熱湯(塩少々)で約1分30秒ゆでて引き上げ、ザルに上げて冷ます。別ゆですることで鮮やかな緑色をキープできます。
- だし汁を計量し、醤油・みりん・砂糖・酒をあらかじめ合わせておく。調理中に一つひとつ計量すると火加減の管理がおろそかになるため、事前にまとめておくのが大切です。
調理手順
炒める工程
- フライパンまたは鍋(直径22〜24cmの厚底タイプが理想)にサラダ油を熱し、中火で油がなじんだら牛肉を入れて炒める。肉の色が7〜8割変わったらすぐに取り出す。肉を炒めすぎると硬くなるため、半生状態でいったん出すのがポイントです。
- 同じ鍋の油で玉ねぎを中火で約2分炒める。玉ねぎに透明感が出てきたら、甘みが引き出されているサインです。
- じゃがいも(水気をよく切ったもの)とにんじんを加え、中火のまま約2分炒める。油がなじんで表面が少し透明になるまで炒めることで、煮崩れが防げます。
煮る工程
- 合わせた調味料(だし汁+醤油+みりん+砂糖+酒)を鍋に一気に注ぎ入れ、強火にして沸騰させる。一度しっかり沸騰させることで、アルコールが飛んでまろやかな味わいになります。
- 沸騰したらアクをすくい取り、取り出しておいた肉を戻し入れる。アクをしっかり取り除くことで、仕上がりの雑味が消えてクリアな煮汁になります。
- 落とし蓋(またはクッキングシートで作った内蓋)をして弱火〜中弱火で約15分煮る。落とし蓋をすることで対流が起き、少ない煮汁でも全体に均一に味がしみます。
- 15分後に落とし蓋を外し、じゃがいもに竹串を刺してスッと通れば煮えています。まだ固ければさらに3〜5分追加で煮ます。
- 煮汁が全体の1/3程度になるまで中火で2〜3分煮詰めて照りを出す。煮汁を残しすぎると味が薄く感じるため、最後に少し煮詰めることで濃度がつきます。
- 火を止めて10分ほど蓋をしたまま余熱で蒸らす。この「蒸らし」工程が味しみ抜群にする最大の秘訣で、一度冷ますことで調味料が食材の中心まで浸透します。
- 器に盛り、ゆでた絹さやを彩りに添えて完成。
プロのコツ・裏技
じゃがいもを煮崩れさせない3つの方法
試作を繰り返す中でわかったことですが、じゃがいもの煮崩れはほとんどが「火加減が強すぎる」か「かき混ぜすぎ」が原因です。
一つ目のコツは、じゃがいもを最初に油で炒めること。表面に油の膜がつくことで、煮込んでいる間にでんぷんが溶けにくくなります。多くのレシピでは最初から煮汁に入れますが、炒める一手間を加えるだけで仕上がりが全然違います。
二つ目は、絶対に強火で煮ないこと。強火で煮ると煮汁が激しく対流して食材がぶつかり合い、じゃがいもの角が欠けてきます。弱火〜中弱火でコトコト煮るのが正解です。筆者の経験では、「IHの最弱から2番目」くらいの火加減がちょうど良いです。
三つ目は、煮ている間はできるだけかき混ぜないこと。落とし蓋をしていれば煮汁が循環するため、かき混ぜる必要はありません。どうしても確認したいときは、鍋をゆっくり傾けて煮汁を回すだけにとどめます。
「一晩置いたら美味しい」の科学的理由
肉じゃがは作ったその日より翌日のほうが美味しいとよく言われます。これには調理科学的な根拠があります。
食材の内部と外部の調味料濃度が均一になるには時間がかかります。冷める過程で内部の水分が収縮し、代わりに調味料を含んだ煮汁が食材の中心部まで引き込まれます。この現象を「冷却浸透」と呼びます。できたての肉じゃがより、冷ましてから再加熱した肉じゃがのほうが深みのある味になるのはこのためです。
つまり「蒸らし」工程(手順9)も、この原理を活用しています。火を止めたあとに蓋をして10分蒸らすだけで、翌日効果を少しだけ近づけることができます。
肉は薄切りが正解、分厚い肉には要注意
正直なところ、分厚い肉を使うのは面倒に感じないかもしれませんが、家庭の肉じゃがには薄切り肉が絶対的に向いています。薄切り肉は15〜20分の煮込みでも十分に味がしみますが、分厚い肉(1cm以上)は芯まで火が通るのに時間がかかり、外側だけが煮詰まって塩辛くなりがちです。
もし分厚い肉(バラ肉ブロックなど)を使いたい場合は、下ゆでして余分な脂を落としてから使うことをおすすめします。
玉ねぎの「甘み引き出しテク」
玉ねぎは薄切りにしてから炒めるとき、はじめから塩をひとつまみ(約1g)振ると浸透圧で水分が出てきて、弱火で炒めることで自然な甘みが増します。この一手間で、砂糖の量を大さじ1/2減らしても十分な甘みが出ます。
だし汁のこだわりが仕上がりを決める
市販のだしの素(顆粒)でも十分においしく作れますが、昆布と鰹節の合わせだしで作ると、旨み成分のグルタミン酸とイノシン酸が相乗効果を発揮して、深みのある煮汁になります。時間がある場合はぜひ試してみてください。
合わせだしの作り方は、水500mlに昆布10cmを入れて30分おき、中火にかけて沸騰直前に昆布を取り出し、削り鰹15gを入れて火を止め、3分後にこすだけです。残っただし汁は味噌汁にも使えます。
よくある失敗パターンと回避策
失敗その1:じゃがいもが煮崩れてしまう
原因は「火が強すぎる」「かき混ぜすぎ」「切り方が小さすぎる」の3つが多いです。
回避策として、じゃがいもは一口大(3〜4cm角)以上の大きめに切り、必ず最初に油で炒めてから煮ること。煮込みは弱火〜中弱火を守り、落とし蓋をしている間は触らないようにします。メークインは煮崩れしにくい品種なので、煮崩れが気になる方にはメークインがおすすめです。男爵はホクホクして美味しいですが煮崩れしやすいため、慣れるまではメークインのほうが失敗が少ないです。
失敗その2:味が薄い・味がしみていない
煮込み時間が短いか、落とし蓋をしていない場合に起こりやすい失敗です。
回避策として、煮込みは最低15分はかけること。それ以上に大切なのが、火を止めてからの蒸らし時間です。10分以上蓋をしたまま置くと、食材への味のしみ込みが全然違います。それでも味が薄い場合は、醤油を小さじ1〜2追加して再び弱火で3分ほど煮て調整します。
失敗その3:煮汁が多すぎて水っぽい
だし汁の量が多すぎるか、蒸発が少なかった場合に起こります。
回避策として、手順8の「煮詰める工程」をしっかり行い、煮汁が全体の1/3程度になるまで煮詰めます。それでも水っぽい場合は、蓋を開けたまま中火で3〜5分余分に煮て水分を飛ばします。
失敗その4:肉が硬くなってしまう
肉を炒めすぎたか、煮込み時間が長すぎた場合に起こります。
回避策として、肉はまず中火で色が変わる程度(7〜8割)に炒めて一度取り出し、煮込みの途中(沸騰後)に戻し入れること。牛こま切れや薄切り肉は火通りが早いので、最初から煮込まないようにします。もし硬くなってしまったら、ふたをして弱火でもう5〜10分煮込むと多少柔らかくなります。
失敗その5:全体的に甘すぎる・しょっぱすぎる
調味料の分量を変えてしまうか、だし汁の量が少なすぎた場合に起こります。
甘すぎる場合は醤油を少量(小さじ1〜2)追加して再び加熱し、しょっぱすぎる場合はみりんか砂糖を加えるか、だし汁か水を50〜100ml追加して薄めてから煮直します。
失敗その6:玉ねぎがドロドロになりすぎた
玉ねぎを切りすぎて薄くなった場合や、煮込み時間が長すぎた場合に起こります。
回避策として、玉ねぎはくし形の5mm幅以上に切ること。煮込みが長くなっても玉ねぎは溶けやすいため、にんじんやじゃがいもに比べて形がなくなっても味に影響は少ないですが、食感を残したい場合は玉ねぎだけ後から加えるのも一つの方法です。
アレンジ・バリエーション
アレンジ1:鶏肉の肉じゃが
牛肉・豚肉の代わりに鶏もも肉(200g)を使うと、さっぱりしたヘルシーな肉じゃがになります。鶏もも肉は皮目から先に炒め、皮目に焼き色がついたら取り出して同じ手順で煮込みます。鶏肉の旨みがだし汁に溶け出して、また違う美味しさが楽しめます。調味料の比率は同じで構いません。
アレンジ2:韓国風コチュジャン肉じゃが
通常の工程でほぼ同じに作り、調味料にコチュジャン大さじ1(15g)と鶏ガラスープの素小さじ1を加えるだけで、ピリ辛の韓国風肉じゃがになります。ごま油大さじ1/2を最後に回しかけると風味がアップします。白いご飯がいつもより進む一品です。
アレンジ3:和風カレー肉じゃが
通常の材料に加えてカレー粉小さじ2(6g)を炒め工程で入れると、スパイスが効いたカレー風味の肉じゃがになります。砂糖を大さじ1/2減らしてカレー粉の風味を活かすのがポイントです。子供から大人まで人気のアレンジで、食卓で話題になること間違いなしです。
アレンジ4:リメイク料理「コロッケ」
余った肉じゃがはコロッケにリメイクできます。じゃがいもをフォークで粗くつぶし、具材と煮汁を全体に混ぜ込んでから小判形に整えます。薄力粉(小麦粉)→溶き卵→パン粉の順にまぶして、180℃の油で約3分揚げれば、煮汁の甘辛い味つけがそのまま活きた美味しいコロッケになります。味つけ不要のため非常に簡単で、翌日の弁当にもなります。
アレンジ5:牛乳&チーズのクリーム肉じゃがドリア
残った肉じゃがを鍋に入れ、牛乳100ml(または生クリーム50ml)を加えて弱火で温めると、和洋折衷のクリーム煮になります。これをご飯の上に乗せ、ピザ用チーズを散らしてオーブントースターで5〜7分焼けば、肉じゃがドリアの完成です。じゃがいもが溶けて全体がまとまり、まったく別の料理として楽しめます。
アレンジ6:肉じゃが汁(うどんの出汁に)
煮汁が余った場合は捨てずに活用しましょう。肉じゃがの煮汁に水や追いだしを加えて薄め、醤油で味を整えれば絶品のうどんつゆになります。具材ごとうどんに乗せれば、味しみじゃがいもの入った特製肉じゃがうどんが楽しめます。
保存方法と日持ちの目安
冷蔵保存
粗熱を取ってから保存容器(蓋つきのもの)に入れ、冷蔵庫で保存します。日持ちの目安は3〜4日です。
じゃがいもは冷蔵保存すると食感がパサパサになりやすいため、食べる分だけ取り分けて食べ残したものを保存するより、最初から全部作り置きにする場合は2日以内に食べ切ることを意識するとよいでしょう。
再加熱は電子レンジ(600W)で2〜3分、またはフライパンに移して弱火で5分温めるのがおすすめです。電子レンジの場合はラップをかけて加熱します。
冷凍保存
肉じゃがは冷凍できますが、じゃがいもは冷凍すると解凍後にスカスカした食感(海綿状)になるため、冷凍する前にじゃがいもだけ取り出すか、じゃがいもを粗くつぶしてから冷凍することをおすすめします。
冷凍する場合の日持ちの目安は1ヶ月です。保存する際はなるべく空気を抜いた状態でジッパーバッグに入れ、平らにして冷凍すると解凍しやすくなります。
解凍方法は、前日から冷蔵庫に移して自然解凍するか、凍ったまま鍋に入れて弱火でゆっくり温める方法がおすすめです。電子レンジでの解凍は食材が硬くなりやすいため、できれば避けたほうが無難です。
保存の際の注意点:肉じゃがは糖分が多い煮物のため、夏場や暑い場所では常温保存すると1日以内でも傷むことがあります。作ったらすぐに冷ます(粗熱を取る)習慣をつけ、常温での放置は避けましょう。
合わせて作りたい献立提案
肉じゃがは和食の主菜として使いやすく、様々な副菜・汁物・主食と組み合わせられます。
献立例1:定番の和定食スタイル
- 主菜:肉じゃが
- 副菜:ほうれん草のおひたし(醤油・だし少々であえたもの)
- 汁物:豆腐と麩の味噌汁
- 主食:白いご飯
シンプルな定番の組み合わせです。肉じゃがの甘辛い味わいと、ほうれん草のさっぱりしたおひたし、やさしい味噌汁が献立のバランスをとってくれます。
献立例2:ボリューム感のある食卓
- 主菜:肉じゃが
- 副菜:きゅうりとわかめの酢の物
- 副菜:冷奴(かつお節・ねぎ・醤油)
- 汁物:なめこと油揚げの味噌汁
- 主食:白いご飯
肉じゃがは食べ応えがあるため、副菜はさっぱりしたものを組み合わせると全体のバランスがよくなります。酢の物と冷奴は食卓を涼やかにしてくれる存在です。
献立例3:子供が喜ぶ家庭的な組み合わせ
- 主菜:肉じゃが
- 副菜:卵焼き(少し甘めに仕上げたもの)
- 副菜:ブロッコリーのマヨネーズ和え
- 汁物:コーンとじゃがいもの味噌汁
- 主食:白いご飯
卵焼きとブロッコリーは子供に人気の副菜です。汁物にじゃがいもが入っていますが、肉じゃがのじゃがいもとは食感が異なるため、重複感なく楽しめます。
献立例4:秋冬の温かい献立
- 主菜:肉じゃが
- 副菜:大根とちくわの煮物
- 副菜:小松菜のごま和え
- 汁物:豚汁
- 主食:白いご飯
冬の寒い時期に身体が温まる組み合わせです。豚汁とのダブル煮物になりますが、どちらも根菜たっぷりで栄養バランスも抜群です。
栄養情報・健康面の補足
文部科学省の食品成分データベースをもとに、この肉じゃが(牛薄切り肉使用・1人前あたり約380kcal)の主な栄養素を確認してみましょう。
| 栄養素 | 1人前の目安量 | 主な役割 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 約15〜18g | 筋肉・細胞の修復と生成 |
| 炭水化物 | 約40〜45g | 身体のエネルギー源(じゃがいも由来) |
| 脂質 | 約10〜15g | 細胞膜の構成・脂溶性ビタミンの吸収 |
| カリウム | 約800〜900mg | 血圧調整・余分な塩分の排出促進 |
| ビタミンC | 約25〜35mg | 免疫機能の維持・コラーゲン合成 |
| 鉄分 | 約1.5〜2.5mg | 赤血球の生成・疲労回復 |
食材ごとの栄養的な特徴
じゃがいもはビタミンCを多く含む野菜です。一般的に熱でビタミンCが壊れるとされていますが、じゃがいものビタミンCはでんぷんに守られているため、加熱しても比較的損失が少ないという特徴があります。
にんじんはβ-カロテンが豊富で、体内でビタミンAに変換されます。油と一緒に食べることでβ-カロテンの吸収率が高まるため、油で炒める肉じゃがの調理法は、にんじんの栄養をしっかり摂れる理にかなった食べ方といえます。
玉ねぎに含まれるケルセチンは抗酸化作用があり、血液サラサラ効果が期待できます。加熱することでイソアリインがアリシンに変化し、疲労回復に役立つとされています(出所:食品成分に関する各種研究論文より)。
牛肉(または豚肉)は動物性タンパク質と鉄分の補給源として優れています。とくに牛肉に含まれるヘム鉄は吸収率が高いため、鉄不足が気になる方に適しています。
塩分(ナトリウム)については、1人前あたり約1.5〜2.0gと、和食の中では標準的な量です。高血圧が気になる方は醤油を大さじ1程度減らし、代わりにだしを効かせることで減塩しながら満足感のある仕上がりにできます。
FAQ(よくある質問)
Q1.肉じゃがのじゃがいもは何を使うのがいいですか?
じゃがいもには大きく分けて「メークイン」と「男爵」があります。メークインは水分が多くきめ細かいため煮崩れしにくく、煮物に向いています。男爵はホクホクした食感で美味しいですが煮崩れしやすい性質があります。どちらを使っても肉じゃがは作れますが、はじめて作る方や煮崩れが心配な方にはメークインがおすすめです。もともと肉じゃがを食べ慣れている方が「実家の味」として男爵を使うことも多く、最終的には好みで選んでください。
Q2.牛肉と豚肉、どちらが正解ですか?
どちらでも正解です。関西(特に神戸・大阪)では牛肉を使うことが多く、関東では豚肉を使うことが多いとされています。牛肉のほうが旨みの深みと甘みがあり、豚肉はさっぱりしていてコスパが良い傾向があります。豚バラ肉を使うと脂が溶け出して煮汁に旨みが加わり、また違う美味しさになります。鶏もも肉でも作れるため、冷蔵庫にあるものや予算に合わせて使い分けてください。
Q3.肉じゃがを早く味しみにする方法はありますか?
最も効果的な方法は「火を止めてから蓋をして蒸らす」ことです。加熱よりも冷却する過程のほうが食材に味がしみ込むため、10分以上の蒸らし時間を必ずとりましょう。時間がない場合でも5分は蒸らしてください。また、食材を大きく切りすぎると味がしみにくいため、3〜4cm角が目安です。落とし蓋を使うのも対流を生み出して味しみを助ける効果的な方法です。
Q4.落とし蓋がない場合はどうしたらいいですか?
アルミホイルやクッキングシートで代用できます。クッキングシートを鍋の内径に合わせて丸く切り、箸で数か所小さな穴をあけるだけで落とし蓋として使えます。アルミホイルでも同様に作れます。なければ普通の鍋の蓋を少し斜めにずらして(半分開けた状態で)かぶせることでも、蒸気を逃がしながら落とし蓋に近い効果が得られます。
Q5.だし汁がない場合はどうすれば作れますか?
だしの素(顆粒)を水に溶かして使えます。だしの素の種類(鰹・昆布・あごだし等)によって風味が異なりますが、どれでも美味しく作れます。パッケージの表示に従って溶かし、レシピのだし汁量に代用してください。だし汁がない場合は、水300mlに顆粒だしの素小さじ1/2〜1を溶かして使います。
Q6.肉じゃがを翌日まで保存するとき、じゃがいもはどうなりますか?
保存してある肉じゃがを翌日食べると、じゃがいもがより美味しく感じる方が多いでしょう。一晩冷えることで味がさらにしみ込むためです。ただし冷蔵庫で数日保存していると、じゃがいもの水分が抜けてパサパサになってくることもあります。できれば3日以内に食べ切るか、リメイク料理(コロッケなど)に活用するのがおすすめです。
Q7.砂糖なしで作ることはできますか?
砂糖を使わない場合は、みりんだけで甘さを出す方法があります。みりんの量を通常より大さじ1〜2増やして対応してください。また、玉ねぎをじっくり炒めると自然な甘みが引き出せるため、炒め工程を丁寧に行うことで砂糖なしでも甘みを感じやすくなります。ただし砂糖を使わないと甘みのコクが若干薄くなる傾向があるため、みりんのみで作る場合は仕上がりを確認しながら調整してください。
Q8.子供向けに甘くするにはどうすればいいですか?
砂糖を通常の分量より大さじ1(12g)増やすと、ほんのり甘めの仕上がりになります。さらに甘みを加えたい場合はみりんも大さじ1増やします。醤油を少し控えると(大さじ2半に減らすと)甘さがより際立ちます。ただし甘くしすぎると大人には物足りなく感じることもあるため、食卓に食べる人数に合わせてバランスを調整してください。
Q9.みりんがない場合の代用方法は?
みりんがない場合は、砂糖大さじ1と酒大さじ2を合わせたもので代用できます。みりんの甘みとアルコールをそれぞれ砂糖と酒で補う形です。この代用では本みりんのコクは少し出にくいですが、十分に美味しい肉じゃがが作れます。料理酒もない場合は水大さじ2で酒を代用できます(アルコールによる肉の臭み消し効果はなくなりますが、味への影響は少ないです)。
Q10.肉じゃがをご飯の上にかけてもいいですか?
もちろんです。煮汁が少し多めに残った肉じゃがをご飯の上にかけると、「肉じゃが丼」として楽しめます。煮汁がご飯にしみて非常に美味しくなります。さらに生卵を乗せてかき混ぜながら食べると「肉じゃが親子丼風」にもなります。お弁当に入れる場合は、煮汁が流れないよう煮詰めたものを詰めると良いでしょう。
Q11.肉じゃがに使う醤油の種類はどれがいいですか?
一般的な濃口醤油を使うのが基本です。淡口(薄口)醤油を使うと色が薄くなるため、見た目がやや淡くなりますが、塩分はほぼ同じです。减塩醤油を使う場合は通常より大さじ1/2ほど多めに入れると塩分バランスが近づきます。お好みで生醤油(きじょうゆ)や再仕込み醤油に変えると、旨みが増した高級感のある仕上がりになります。
Q12.肉じゃがを大量に作りたい場合のコツは?
材料を2倍にする場合は調味料も2倍にしますが、だし汁だけはやや少なめ(1.7〜1.8倍)にすることをおすすめします。鍋が大きくなると水分が蒸発しにくくなり、煮汁が多く残りすぎることがあるためです。また大鍋では底に食材が重なりやすいため、最初に炒める工程はまとめて行わず、何回かに分けて炒めると均一に火が通ります。
肉じゃがレシピで失敗しないための総まとめ
肉じゃがレシピの成功は、「炒める→煮る→蒸らす」の3段階を丁寧に行うことと、調味料の黄金比率を守ることにあります。この記事を通じてお伝えしてきた最重要ポイントを整理します。
まずじゃがいもは水にさらしてから油で炒めて表面をコーティングし、煮崩れを防ぎます。肉は先に炒めて取り出し、煮込みの途中で戻し入れることで硬くなるのを防ぎます。落とし蓋を使った弱火〜中弱火での15分煮込みと、火を止めてからの10分の蒸らしが味しみ抜群にするカギです。
調味料の黄金比率は「だし汁300ml:醤油大さじ3:みりん大さじ3:砂糖大さじ1と1/2:酒大さじ2(4人前)」で、甘すぎず塩辛すぎないバランスになっています。醤油を増やせばしっかり味に、砂糖を増やせば甘口に、みりんを増やせばコク深い仕上がりに調整できます。
アレンジの幅も広く、余ったらコロッケやドリアにリメイクできる点も肉じゃがの魅力です。作り置きにも適していて、翌日の弁当のおかずにもなります。
はじめて作る方は今回の基本レシピをそのまま試してみてください。2回目からは自分好みに調整しながら、あなただけの「黄金比率の肉じゃが」を見つけていきましょう。
