【2026年最新】夜泣きがピタッと止まる7つの対策|新生児〜1歳の月齢別に小児科医が解説

毎晩繰り返される赤ちゃんの夜泣きに、限界を感じていませんか。「いつまで続くの」「何をしても泣き止まない」と、心身ともに疲弊している親御さんは少なくありません。夜泣きは多くの赤ちゃんに起こる自然な現象ですが、適切な対策を知っているだけで状況は大きく変わります。

この記事では、新生児から1歳までの月齢別の夜泣きの原因と対策を、小児科医の知見をもとに詳しく解説します。2026年の最新研究や医学的エビデンスに基づいた情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

夜泣きとは何か|医学的な定義と発生メカニズム

夜泣きの医学的な定義

夜泣きとは、夜間に赤ちゃんが明確な原因なく繰り返し泣く状態を指します。医学的には「夜間覚醒」や「睡眠障害」の一種として分類されることもあります。一般的には生後3〜6ヶ月頃から始まり、1歳半前後に落ち着くケースが多いとされています。

小児科学の観点では、夜泣きは病気ではなく発達の一過程です。しかし、保護者の睡眠不足や育児ストレスに直結するため、適切なサポートが重要視されています。日本小児科学会でも、夜泣きへの対応は「親のメンタルヘルスを守る観点」から重要なテーマとなっています。

夜泣きが起こる脳科学的なメカニズム

赤ちゃんの睡眠は大人と大きく異なります。大人の睡眠サイクルは約90分ですが、新生児の睡眠サイクルは約50〜60分と短く設定されています。このサイクルの切れ目に、赤ちゃんは一時的に覚醒しやすい状態になります。

さらに、乳児期は「レム睡眠(浅い眠り)」の割合が非常に高いことがわかっています。成人のレム睡眠が全体の約20〜25%であるのに対し、新生児は約50%がレム睡眠を占めます。脳が活発に動いているレム睡眠中は、些細な刺激でも覚醒しやすく、そのまま泣き出すことがあります。

また、赤ちゃんの自律神経系はまだ未発達です。体温調節、空腹感、不快感などを自分でコントロールする能力が乏しいため、何らかの不快刺激があると泣いてサインを出します。これが夜間に起こると「夜泣き」として認識されます。

夜泣きと睡眠退行(スリープリグレッション)の関係

「スリープリグレッション(睡眠退行)」とは、一時的に睡眠パターンが乱れる現象です。生後4ヶ月、8〜10ヶ月、12ヶ月前後などに起こりやすいとされています。この時期は脳の急速な発達が背景にあり、睡眠の質が一時的に低下します。

スリープリグレッションの時期は特に夜泣きが激しくなる傾向があります。しかし、この現象は赤ちゃんの正常な発達の証でもあります。適切に乗り越えることで、長期的には睡眠の質が向上していきます。

月齢別|夜泣きの原因と特徴を徹底解説

新生児期(0〜1ヶ月)の夜泣き

新生児期の夜泣きは、ほぼ100%が生理的な欲求によるものです。主な原因は、空腹、おむつの不快感、体温の不適合、抱っこへの欲求などです。この時期はまだ昼夜の区別がついていないため、24時間を通じて泣くことがあります。

新生児の胃の容量は非常に小さく、約30〜60mlしか入りません。そのため、2〜3時間ごとの授乳が必要であり、夜中の授乳は避けられません。「夜泣き」というより「夜間の生理的欲求」として捉えることが大切です。

対応の基本は、泣いたらすぐに応答することです。新生児期に「泣き声に慣れさせる」「泣かせておく」などの対応は推奨されません。すぐに応答することで赤ちゃんは安心感を学び、将来的な自己鎮静能力(セルフソーシング)の基盤となります。

生後1〜3ヶ月の夜泣き

この時期から少しずつ昼夜のリズムが形成されはじめます。しかし、まだ体内時計(概日リズム)が未成熟なため、夜間の覚醒は頻繁に起こります。コリック(乳児疝痛)と呼ばれる激しい泣きが始まる赤ちゃんもいます。

コリックとは、明確な原因がないのに毎日決まった時間帯(夕方〜夜)に激しく泣く症状です。生後2〜3週間で始まり、3〜4ヶ月頃に自然に落ち着くことが多いとされています。原因は完全には解明されていませんが、消化器系の未熟さや過剰な腸内ガスが関与しているとも言われています。

この時期の対策として有効なのが、「5つのS」と呼ばれる方法です。小児科医のハーヴェイ・カープ博士が提唱したこの方法は、Swaddle(おくるみ)、Side/Stomachposition(横向き・うつぶせ抱き)、Shushing(シーという音)、Swinging(揺らす)、Sucking(吸わせる)の5つの要素からなります。これらを組み合わせることで、多くの赤ちゃんの泣きを鎮める効果が確認されています。

生後4〜6ヶ月の夜泣き(4ヶ月スリープリグレッション)

生後4ヶ月前後は、睡眠パターンが大きく変化する転換期です。それまで「浅い眠り→深い眠り」の単純なパターンだった睡眠が、大人に近い複雑な睡眠サイクルへと移行し始めます。この変化に伴い、睡眠サイクルの切れ目に覚醒しやすくなり、夜泣きが増加することがあります。

また、この時期から離乳食を開始する赤ちゃんも増えます。新しい食べ物への消化器系の適応や、日中の運動量増加による疲れの変化も夜泣きに影響します。さらに、親の顔や声への強い愛着が形成される時期でもあり、「一人にされることへの不安」が増す場合もあります。

この時期の重要なポイントは、就寝ルーティンを確立することです。毎晩決まった順序で入浴・授乳・読み聞かせなどを行うことで、赤ちゃんの脳に「もうすぐ眠る時間」というシグナルを送ることができます。研究によると、一貫した就寝ルーティンを持つ乳児は夜間覚醒の回数が有意に少ないことが示されています。

生後7〜9ヶ月の夜泣き(分離不安の増大)

生後7〜9ヶ月は、分離不安(セパレーションアンクシエティ)が最も強まる時期です。認知能力が発達し「ママ・パパがいなくなった」「一人だ」という認識が強くなります。しかし、物事が「見えなくなっても存在する(対象の永続性)」という概念はまだ不完全です。

そのため、親が視界から消えると「消えてしまった」と感じ、不安から泣くことがあります。夜中に目が覚めたとき、親の姿が見えないと激しく泣き出すことが多くなります。この時期の夜泣きは「愛着の発達の証」であり、正常な発達の過程です。

また、この頃はつかまり立ちや伝い歩きなどの大きな発達が起こることも多いです。日中の神経系の興奮が夜まで持ち越され、寝つきが悪くなることもあります。「できるようになったこと」が嬉しくて、脳が興奮状態になりやすい時期でもあります。

生後10〜12ヶ月の夜泣き

この時期は歩行の発達が本格化し、運動量が急増します。日中の疲労が大きくなる一方、昼寝の回数が減り始める赤ちゃんも出てきます。昼寝と就寝のバランスが崩れると、過疲労(オーバータイアドネス)による夜泣きが起こりやすくなります。

また、言語発達も著しくなり、意思疎通の欲求が高まります。自分の意思を言葉でうまく伝えられないもどかしさが、夜泣きとして表れることもあります。「もっと遊びたい」「ひとりは嫌だ」という感情が、夜の覚醒時に泣きとして出てくるのです。

歯が生えてくる時期(萌出)も夜泣きの原因になりえます。歯肉の炎症や痛みで夜間に目が覚めやすくなります。萌出による夜泣きは数日間続くことが多く、落ち着いたり激しくなったりを繰り返す傾向があります。

月齢別の夜泣き対策比較表

月齢主な原因推奨される対策避けるべき行動
0〜1ヶ月空腹・おむつ・体温即時応答・授乳泣かせたままにする
1〜3ヶ月コリック・昼夜混乱5つのS・日光浴過度な刺激
4〜6ヶ月睡眠退行・ルーティン未確立就寝ルーティン確立毎回抱き上げて授乳
7〜9ヶ月分離不安・発達の急進安心感の提供・見守り突然の環境変化
10〜12ヶ月過疲労・歯の萌出・運動量増加昼寝調整・入眠サポート遅い就寝時間

夜泣きがピタッと止まる7つの対策

夜泣き対策として効果が高いとされる方法を、医学的根拠とともに解説します。すべてに即効性があるわけではありませんが、継続することで確実に改善が見込めます。お子さんの月齢や性格に合わせて、組み合わせて実践してみてください。

対策1:就寝ルーティンを毎晩同じ順番で行う

就寝ルーティンは、夜泣き対策の中で最も科学的根拠が蓄積されている方法の一つです。2009年にアメリカ睡眠医学会で発表された研究では、就寝ルーティンを実施した乳児グループは夜間覚醒が平均37%減少したと報告されています。赤ちゃんの脳はパターン認識が得意で、「この流れが始まったら眠る時間」と学習します。

おすすめの就寝ルーティンは以下の通りです。

  • 入浴(ぬるめのお湯で10〜15分)
  • 着替えとマッサージ(5分程度)
  • 授乳または哺乳瓶での授乳
  • 読み聞かせ(1〜2冊程度)
  • 部屋を暗くして子守唄や静かな音楽

ポイントは毎晩同じ順番で行うことと、全体の時間を30〜45分程度に収めることです。長すぎるルーティンは赤ちゃんを過疲労にさせてしまうことがあります。ルーティンを始める時間も毎晩なるべく一定に保ちましょう。

対策2:睡眠環境を最適化する(温度・光・音)

赤ちゃんが最も眠りやすい環境を整えることも非常に重要です。環境要因は見落とされがちですが、睡眠の質に直接影響する大切な要素です。

室温について

日本小児科学会の推奨では、赤ちゃんの就寝時の室温は18〜22℃が理想とされています。暑すぎると汗をかいて不快になり、寒すぎると体温調節に余計なエネルギーを使います。季節ごとに適切な寝具と室温管理を行いましょう。

季節推奨室温寝具の目安
春・秋18〜20℃薄手のブランケット1枚
26〜28℃(冷房使用時)薄手のガーゼケット
18〜22℃(暖房使用時)スリーパー+ブランケット

光について

夜間の光環境は体内時計に大きな影響を与えます。就寝1〜2時間前から室内の照明を徐々に落とすことで、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を促進できます。夜間の授乳やおむつ替えの際も、明るい照明は避け、ナイトライトや間接照明を使用しましょう。

音について

ホワイトノイズ(雑音を混ぜた一定の音)は、多くの赤ちゃんの夜泣きに効果的です。胎内にいた頃の環境音(血流音・胃腸音など、約85デシベル)に似ているため、安心感を与えると考えられています。市販のホワイトノイズマシンやスマートフォンのアプリを活用する方法があります。ただし、音量は50〜60デシベル程度に抑え、赤ちゃんの耳から1メートル以上離して使用しましょう。

対策3:昼夜のリズムを整える(概日リズムの形成)

赤ちゃんの体内時計(概日リズム)を整えることで、夜間の睡眠の質が向上します。概日リズムは生後3〜4ヶ月頃から形成されてきますが、適切な働きかけで形成を促すことができます。

朝の光を積極的に活用する

朝起きたら、なるべく早く自然光を浴びさせましょう。朝の光は体内時計のリセットを促し、「昼=活動」「夜=睡眠」のリズム形成を助けます。天気の良い日は午前中に30分程度の散歩をするだけでも効果があります。

昼間は活発に、夕方以降は穏やかに過ごす

日中は適度に声かけをしたり、遊んだりと刺激を与えましょう。一方、夕方以降は徐々に刺激を減らし、静かな環境を作ることが大切です。夕方以降のはしゃいだ遊びは神経系を興奮させ、寝つきを悪化させることがあります。

昼寝のタイミングと長さを管理する

昼寝が遅すぎたり長すぎたりすると、夜の就寝時間が遅くなります。月齢によって適切な昼寝の回数と時間は異なりますが、夕方4時以降の昼寝は避けるのが基本です。

月齢推奨昼寝回数昼寝の合計時間
0〜3ヶ月4〜5回5〜6時間
4〜6ヶ月3〜4回4〜5時間
7〜9ヶ月2〜3回3〜4時間
10〜12ヶ月2回2〜3時間

対策4:授乳と睡眠の関連付けを見直す(ねんねトレーニングの導入)

多くの赤ちゃんは「授乳しながら眠ること」を学習します。その結果、夜中に目が覚めると「授乳がなければ眠れない」という関連付けができてしまうことがあります。これを睡眠の関連付け(スリープアソシエーション)の問題と呼びます。

改善するためには、赤ちゃんが「完全に眠り切る前に布団に置く」ことが効果的です。「眠そうだが、まだ起きている状態」でベッドに置くことで、赤ちゃんは「自分で眠る」ことを学習します。最初は泣くことが多いですが、数日から1週間程度で徐々に改善することが多いです。

ねんねトレーニング(ファーバーメソッドなど)について

ねんねトレーニングとは、赤ちゃんが自力で眠れるようにするための訓練法です。代表的な手法には以下のものがあります。

  • ファーバーメソッド:一定時間待ってからあやす方法(段階的消去法)
  • ウェイスブラスメソッド:親が部屋を出た後、一定時間泣かせる方法
  • チェアメソッド:親が椅子に座って見守りながら、徐々に距離を広げる方法

ねんねトレーニングの効果と安全性については、2006年と2012年の研究でいずれも「赤ちゃんのストレスホルモンに長期的な悪影響を与えない」ことが確認されています。ただし、適切に実施できる月齢(一般的に生後4〜6ヶ月以降)や、親と赤ちゃん双方の準備が整っていることが重要です。

対策5:おくるみ(スワドル)の活用

新生児期から生後3〜4ヶ月頃まで、おくるみは非常に効果的な夜泣き対策です。布でしっかり体を包まれることで、胎内にいた頃の感覚に近い安心感が得られます。モロー反射(突然手足が広がる反射)による覚醒も防ぐことができます。

おくるみの効果的な使い方は以下の通りです。

  • 綿素材など通気性の良い布を選ぶ
  • 両腕を体に沿って包み、足は自由に動かせるように余裕を持たせる
  • 首から上は絶対に包まない
  • 体が暑くなりすぎていないか、定期的に確認する

注意点として、寝返りを始めた赤ちゃんにはおくるみを使用しないことが重要です。うつぶせになった際に顔が埋もれるリスクがあり、安全上の問題が生じます。寝返りが始まったら、おくるみから「スリーパー」へ移行するタイミングです。

対策6:ベビーマッサージで副交感神経を優位にする

就寝前のベビーマッサージは、赤ちゃんの副交感神経を優位にし、眠りにつきやすい状態を作ります。研究によると、定期的なマッサージを受けた乳児は夜間の睡眠時間が延長し、夜泣きの頻度が低下したと報告されています。

効果的なベビーマッサージの方法です。

  • 室温を暖かく保ち、ベビーオイルを手で温める
  • 足先から始めて、ふくらはぎ、太ももと上へ向かって優しくさする
  • お腹は「の」の字を描くように時計回りにマッサージする(消化促進にも効果的)
  • 背中は背骨を避けて、両サイドを上下にさする
  • 力は「皮膚が動く程度」の優しさが基本

マッサージ中は柔らかい声で話しかけたり、歌を歌ったりすることでより高い効果が期待できます。赤ちゃんが嫌がるときは無理に続けず、機嫌が良いときにのみ行いましょう。

対策7:親自身のストレス管理と交代制の導入

親のストレスや不安は赤ちゃんに伝わります。コルチゾール(ストレスホルモン)は肌の接触や呼吸を通じて伝達されるという研究もあります。夜泣きへの対応に追い詰められた状態では、かえって赤ちゃんが安定しにくくなることがあります。

夫婦や家族で交代して夜泣き対応をすることが非常に重要です。たとえば「月・水・金はパパが担当、火・木・土はママが担当」などの役割分担が有効です。担当でない日はしっかり眠ることで、心身のリフレッシュが図れます。

また、「夜泣きは永遠には続かない」という視点を持つことも大切です。医学的データによると、90%以上の赤ちゃんは1歳半までに夜泣きが大幅に改善されます。今が山場と信じて、無理をしすぎない範囲で対応していきましょう。

一人で抱え込まないことが最大の対策です。地域の子育て支援センターや、かかりつけの小児科に相談することも大切です。オンラインの育児相談窓口(こども家庭庁の「子育て支援サイト」など)も活用できます。

夜泣きに効果があると言われている方法の科学的評価

巷ではさまざまな夜泣き対策が紹介されています。すべてに効果があるわけではないため、科学的根拠の強さを整理します。信頼できる情報をもとに選択することが大切です。

対策方法科学的根拠の強さ効果が出る月齢注意点
就寝ルーティン強い(複数のRCT研究で効果確認)2〜3ヶ月〜継続が必要
ホワイトノイズ中程度(小規模研究多い)0ヶ月〜音量管理が重要
おくるみ強い(新生児〜3ヶ月)0〜3ヶ月寝返り後は不可
ねんねトレーニング強い(長期的影響なし確認済み)4〜6ヶ月〜適切な導入時期が重要
ベビーマッサージ中程度0ヶ月〜嫌がるときは中止
おしゃぶり中程度(一時的な鎮静効果)0〜6ヶ月依存に注意
離乳食の開始(早期)弱い(効果の根拠不十分)消化器への影響注意
ドライブ・ベビーカー一時的効果のみ0ヶ月〜根本解決にならない

夜泣きに関するよくある誤解と正しい知識

誤解1「昼間にいっぱい遊ばせれば夜は良く眠る」

「疲れさせれば眠る」というのは大人のロジックです。赤ちゃんの場合、過剰な疲労(オーバータイアドネス)は逆に寝つきを悪化させます。コルチゾールやアドレナリンが過剰に分泌され、興奮状態が続いてしまうからです。

適度な活動は必要ですが、疲れすぎる前に就寝準備を始めることが大切です。「眠い」サイン(目をこする、耳を触る、ぐずりはじめるなど)を見逃さないようにしましょう。眠いサインが出たら、すぐに暗くて静かな環境で寝かしつけを開始するのがベストです。

誤解2「夜泣きを放置すると愛着形成に悪影響が出る」

夜泣きへの対応方法について「泣かせたままにすると愛着形成が損なわれる」という意見があります。しかし、現在の研究では適切に実施されたねんねトレーニングは愛着形成に悪影響を与えないことが確認されています。2012年に発表されたPediatrics誌の研究では、5年後の追跡調査でも親子の愛着関係や子どもの行動・精神発達に差がなかったと報告されています。

重要なのは、日中の積極的なスキンシップと愛情ある関わりです。昼間に十分な安心感を与えることで、夜間の対応への柔軟性が生まれます。「夜泣きへの対応の仕方」よりも「日々の関わりの質」のほうが愛着形成には重要です。

誤解3「母乳育児だと夜泣きが増える」

母乳とミルクで夜泣きの頻度が変わるかどうかについては、研究結果が分かれています。一般的に母乳は消化が早いため授乳間隔が短くなりやすいという特性はあります。しかし、これは夜泣きが増えるということではなく、「授乳の必要な頻度が高い」ということです。

母乳育児には睡眠に関わるホルモン(プロラクチン・オキシトシン)の分泌促進という利点があります。夜間授乳を「夜泣きの原因」と捉えるのではなく、「月齢に応じた自然な必要性」として受け入れることが大切です。離乳食が進み、日中の栄養摂取が安定してくれば、夜間授乳の回数は自然に減少していきます。

誤解4「添い寝をすると夜泣きが悪化する」

添い寝に関しては、文化的な背景や各家庭の状況により判断が分かれます。日本の伝統的な添い寝は欧米の基準とは異なる文化的文脈があります。厚生労働省は「安全な睡眠環境」として、ソファや柔らかすぎるマットレスでの添い寝を避けることを推奨しています。

硬めのマットレスで、布団や枕が赤ちゃんの顔を覆わない状態での添い寝は、多くの育児文化で実践されています。添い寝が夜泣きを悪化させるかどうかは、個人差や環境によります。大切なのは安全を最優先にした上で、各家庭に合った方法を選ぶことです。

小児科を受診すべき夜泣きのサイン

ほとんどの夜泣きは自然な発達の一部ですが、中には医療的な対応が必要なケースもあります。以下のサインがある場合は、速やかに小児科を受診することをお勧めします。

すぐに受診が必要なサイン

  • 発熱を伴う(38度以上)
  • 顔色が悪い、唇が青白い
  • 嘔吐や下痢が続いている
  • 体に発疹がある
  • 通常と全く異なる泣き方(甲高い・弱々しい)
  • 6時間以上泣き続けている

数日様子を見て改善しない場合に相談が必要なサイン

  • 3ヶ月を過ぎてもコリックが改善しない
  • 体重増加が乏しい(授乳後も泣き続ける)
  • 一晩に5回以上覚醒する状態が数週間続く
  • 親の精神的・体力的限界を感じている

医療機関での受診時には、「夜泣きの頻度・時間・状況」を記録したメモを持参すると診察がスムーズになります。スマートフォンの育児記録アプリを活用して記録しておくことをお勧めします。小児科医への相談は遠慮なく行ってください。保護者のメンタルヘルスも非常に重要な医療的課題です。

育児の専門家が実践する夜泣き対応の基本姿勢

「泣きに意味を見つける」思考法

すべての泣きに「理由がある」と考えることが、夜泣き対応の出発点です。最初のうちは空腹・おむつ・体温・眠さの「基本4点」をチェックする習慣をつけましょう。これらを確認した上で原因が特定できない場合、「発達的な夜泣き」として受け入れていきます。

「反応の一貫性」を保つことの重要性

夜泣き対応で重要なのは反応の一貫性です。「昨日は抱っこしたけど、今日は泣かせる」という対応のばらつきは、赤ちゃんの混乱を招きます。家族内でルールを決め、誰が対応しても同じ反応ができるようにしておきましょう。

「今夜だけ」を乗り越える短期的視点

夜泣きの真っ最中は「これがいつまでも続く」と感じやすくなります。しかし、夜泣きのピークは必ず終わります。「今夜だけ乗り越えれば良い」という短期的な視点が、精神的な余裕を生み出します。

2026年最新の夜泣き研究トレンド

2026年現在、乳幼児の睡眠研究は急速に進展しています。特に注目されている最新トレンドをご紹介します。

マイクロバイオームと睡眠の関係

腸内細菌叢(マイクロバイオーム)と乳幼児の睡眠の関係が注目されています。腸内環境が整っている赤ちゃんほど、夜間の覚醒が少ない可能性が研究されています。母乳育児がマイクロバイオームの形成に寄与することも、睡眠への間接的な影響として研究が進んでいます。

AIを活用した睡眠モニタリング

スマートモニターやAIを用いた睡眠分析ツールの精度が向上しています。泣き声のパターンから原因を分析するアプリや、睡眠サイクルを非接触でモニタリングできる機器が普及してきています。これらのツールを活用することで、夜泣きのパターンを客観的に把握しやすくなっています。

親の睡眠不足と育児アウトカムの研究

親の慢性的な睡眠不足が、育児の質や子どもの発達に与える影響についての研究も活発です。「親がしっかり眠れている状態」が、結果的に赤ちゃんの睡眠改善にも繋がるという視点が強調されています。産後の睡眠支援を社会インフラとして整備することの重要性が、世界的に議論されています。

夜泣きに悩む親御さんへ|2026年現在も使える支援リソース

一人で夜泣きに悩まないために、さまざまな支援リソースを活用しましょう。相談することへの遠慮は不要です。助けを求めることは、赤ちゃんへの最善の育児です。

活用できる支援先

  • かかりつけ小児科医への相談(定期健診を活用)
  • 地域の子育て支援センター(無料で保育士に相談できる)
  • 助産師外来・ラクテーションコンサルタント(授乳に関する専門家)
  • こども家庭庁が運営するオンライン育児相談
  • 地域の「ファミリーサポートセンター」(一時的なサポート)
  • 産後ケア施設の利用(産後うつのリスクがある場合は積極的に)

夜泣きを乗り越えた先に待つこと

夜泣きの時期は長く感じますが、人生全体で見れば短い貴重な時間でもあります。毎晩抱っこして、声をかけて、あやし続けたその経験は、親子の絆を深める大切な時間でもあります。赤ちゃんにとって「泣いたら来てくれる」という体験の積み重ねが、深い信頼感と安心感の基盤を作ります。

夜泣き対策は「早く楽になるため」だけでなく、「赤ちゃんの安心感を最大限サポートするため」でもあります。今日からできることをひとつずつ取り入れながら、無理しすぎず、助けを借りながら乗り越えていきましょう。夜泣きに向き合っているすべての親御さんを、心から応援しています。

夜泣き対策を今日から始めるためのチェックリスト

夜泣き対策を実践する際の確認事項をまとめました。できているものにチェックをつけながら、できていないものから取り組んでみてください。

就寝環境の確認

  • 室温は18〜22℃の範囲に保たれているか
  • 夜間の照明は暗めに調整されているか
  • 就寝前1〜2時間はスマホやテレビの光を避けているか
  • 赤ちゃんの周囲に窒息リスクのある物が置かれていないか

日中の過ごし方の確認

  • 朝は自然光を浴びる時間があるか
  • 昼寝が夕方4時以降にずれ込んでいないか
  • 夕方以降は刺激的な遊びを避けているか

就寝ルーティンの確認

  • 毎晩決まった時間に就寝ルーティンを開始しているか
  • ルーティンの内容は毎日同じ順番か
  • 就寝ルーティン全体が30〜45分以内に収まっているか

赤ちゃんの状態の確認

  • 夜泣きの前後に体温・おむつ・空腹を確認しているか
  • 「眠いサイン」が出たらすぐに寝かしつけを始めているか
  • 歯の萌出時期(むずがりの増加)を確認しているか

親自身のセルフケアの確認

  • 夫婦・家族で夜泣き対応を交代できているか
  • 昼間に短い休息(昼寝など)を取れているか
  • 悩みを相談できる人・場所があるか

最後に改めてお伝えします。夜泣きがピタッと止まる完璧な方法は存在しません。しかし、月齢に合った適切な対応を積み重ねることで、確実に改善していきます。この記事でご紹介した7つの対策と月齢別の知識が、少しでも皆さんの力になれば幸いです。

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