子どもに何度言っても伝わらない、気づいたら大声で怒鳴っていた…。そんな経験を持つ親御さんは、決して少なくありません。「叱り方がわからない」という悩みは、子育て中の多くの方が抱えている切実な問題です。
本記事では、怒鳴ることなく子どもに伝わる叱り方の5つの基本を、発達心理学や行動科学の知見をもとに詳しく解説します。子どもの叱り方を根本から見直したい方は、ぜひ最後まお読みください。
子どもの叱り方がわからないと感じる親が増えている理由
現代の子育て環境は、一昔前と大きく変わっています。「子どもを叱る」という行為そのものが、複雑に捉えられるようになりました。その背景には、いくつかの社会的変化があります。
「怒る」と「叱る」の違いが曖昧になっている
多くの親御さんが混同しがちなのが、「怒る」と「叱る」の違いです。
- 怒る:自分の感情(怒り・苛立ち)を子どもにぶつける行為
- 叱る:子どもの行動を正すために、冷静に伝える行為
怒鳴ってしまうのは「怒る」行為であり、感情のコントロールが先に崩れているサインです。「叱る」は相手のため、「怒る」は自分のためと理解すると整理しやすくなります。
「親が声を荒げたとき、子どもの脳はその内容よりも”怖い”という感情しか処理できない状態になります。」——発達心理学者・ダニエル・J・シーゲル(著書”TheWhole-BrainChild”より)
情報が多すぎて正解がわからなくなっている
SNSや育児書には、さまざまな「正しい叱り方」が溢れています。「叱ってはいけない」「褒めるだけでよい」「アドラー心理学では…」など、情報が錯綜しています。結果として、何が正しいのかわからず、混乱している親御さんが増えているのです。
核家族化で相談できる大人が減っている
祖父母や地域のコミュニティとの繋がりが薄れた現代では、子育ての悩みを気軽に相談できる大人が少なくなっています。孤独な育児の中で、叱り方に迷う場面が増えるのは自然なことです。
怒鳴ってしまう親が陥りやすい「叱りの悪循環」
怒鳴ることで一時的に子どもが言うことを聞いたとしても、長期的には逆効果です。この「叱りの悪循環」を理解することが、改善の第一歩になります。
怒鳴ることで起きる子どもへの影響
研究によると、慢性的な怒鳴り声にさらされた子どもには以下の影響が出やすいとされています。
| 短期的な影響 | 長期的な影響 |
|---|---|
| 萎縮・服従 | 自己肯定感の低下 |
| その場限りの行動改善 | 反抗心・反社会的行動の増加 |
| 親への恐怖心 | 感情調整能力の低下 |
| 泣く・黙る | 親子関係の悪化 |
米国小児科学会(AAP)は、「怒鳴ることや言葉による攻撃は、身体的な罰と同様に子どもの精神発達に悪影響を与える可能性がある」と明言しています。
怒鳴りやすい「トリガー状況」を知る
怒鳴ってしまいやすい場面には、一定のパターンがあります。
- 朝の忙しい時間帯に子どもがぐずる
- 何度言っても同じことを繰り返す
- 疲れているときや睡眠不足のとき
- 自分も余裕がなく、プレッシャーを感じているとき
これらの状況を「トリガー(引き金)」として認識することで、事前に対策が取りやすくなります。
怒鳴った後の罪悪感がさらなる疲弊を生む
怒鳴った後、多くの親は深い罪悪感を感じます。「また怒鳴ってしまった」「私は最悪な親だ」という思いが重なり、精神的に消耗します。この罪悪感自体が、次の怒りの引き金にもなりうる悪循環です。
伝わる叱り方5つの基本|子どもの叱り方がわからない方へ
ここからが本記事の核心です。発達心理学や行動科学に基づいた、子どもに本当に伝わる叱り方の5つの基本を解説します。これらは特別な才能がなくても、意識と練習で誰でも実践できる方法です。
基本1:「行動」だけを叱り、「人格」を叱らない
叱り方の中で最も重要な原則が、この「行動と人格の分離」です。
NGな叱り方:
「なんでそんなことするの!あなたはいつも乱暴ね!」
この言葉は、行動ではなく子どもの人格そのものを否定しています。子どもは「自分が悪い子」という認識を深め、自己肯定感を損ないます。
OKな叱り方:
「お友達を叩くのはいけないよ。叩かれると痛いし、悲しいよね。」
この言葉では、「叩く行動」を叱っています。「あなた=悪い子」ではなく「この行動=よくない」と明確に伝えています。
ポイントは以下の3点です。
- 「あなたは〜だ」ではなく「その行動は〜だ」という言い回しにする
- 「いつも」「絶対」「どうせ」などの全体化する言葉を避ける
- 行動を変えてほしいのであって、存在を否定しているわけではないと伝える
基本2:叱るタイミングは「その場・すぐ」が鉄則
子どもの脳は、大人と比べてワーキングメモリ(作業記憶)が未発達です。問題行動から時間が経つほど、何について叱られているかが理解できなくなります。
効果的なタイミングの原則:
- 問題行動が起きた直後に叱る
- 「あとで話す」は幼児には特に効果が薄い
- 就寝前・疲れているときは叱るタイミングとして避ける
また、人前で叱ることも子どもの自尊心を傷つけます。できる限り、1対1の状況で落ち着いて話しましょう。
心理学では「随伴性(contingency)」と呼ばれる概念があります。行動とその結果が時間的に近いほど、子どもは「何が問題だったか」を学習しやすくなります。
基本3:短く・具体的に・一度だけ伝える
長々と叱り続けることは、子どもの理解を助けません。逆に何度も同じことを繰り返すと、子どもは「また言ってる」と慣れてしまいます。
叱る言葉の3原則:
- 短く:一言のメッセージに絞る(例:「道路に飛び出してはいけない」)
- 具体的に:何がどうダメなのかを明確に伝える(例:「車が来て危ない」)
- 一度だけ:何度も繰り返さず、一度伝えたら待つ
「何度言えばわかるの!」という言葉は、親自身の疲弊を表しています。一度伝えて、子どもが理解するまで待つ忍耐が必要です。
具体的な叱り方の例:
NG:「何回言ったらわかるの!もうやめなさい!いい加減にして!うるさい!」
OK:「今、走り回るのはやめよう。ほかのお客さんの迷惑になるから。」
基本4:感情のクールダウンを先に行う
怒鳴ってしまう最大の原因は、親自身が感情的になっているときです。自分の感情が高ぶっているときに叱っても、言葉は届きません。
クールダウンの具体的な方法:
- 「その場を少し離れる」(深呼吸しながら別の部屋へ移動)
- 「6秒ルール」:怒りのピークは約6秒。その6秒をやり過ごす
- 「心の中で10を数える」:単純ですが効果的な方法
- 「水を飲む」:飲み込む動作が副交感神経を刺激する
これは「感情を見せない」ということではありません。「感情的になったまま言葉を発しない」ということです。
怒りを感じること自体は自然な反応です。しかし、怒りをそのまま子どもにぶつけることと、怒りを感じながらも冷静に言葉を選ぶことは、まったく別の行為です。
「ちょっと待ってね、ママ/パパ深呼吸するね」と子どもに言えることも、立派な感情教育になります。親が自分の感情を管理する姿を見せることで、子どももその方法を学んでいきます。
基本5:叱った後のフォローアップを忘れない
叱って終わりにしてしまうと、子どもは「怒られた」という感情しか残りません。叱った後のフォローアップが、子どもの理解と親子関係を守る上で不可欠です。
効果的なフォローアップの3ステップ:
- 行動の理由を聞く:「なんでそうしたの?」と子どもの視点を確認する
- 代替行動を一緒に考える:「次からはどうすればよかったかな?」
- 愛情を確認する:「叱ったのはその行動がいけなかったから。あなたのことは大好きだよ」
特に3番目が重要です。子どもは叱られると「自分が嫌われた」と感じやすい生き物です。行動を否定しても、存在は愛していることを言葉で伝えましょう。
年齢別・子どもの叱り方の違いと注意点
叱り方は、子どもの年齢・発達段階によって大きく変える必要があります。発達に合わない叱り方は、かえって逆効果になります。
0〜2歳:叱るよりも環境を変える
この年齢の子どもは、言葉による理解がまだ十分ではありません。「だめ!」という言葉そのものより、声のトーンや表情で伝わります。
- 「だめ」と言いながら笑っていると、子どもは遊びだと思ってしまう
- 危険なものは手の届かない場所に置く(環境整備が最優先)
- シンプルな言葉(「熱い」「危ない」「痛い」)で伝える
この年齢での「叱り」は、主に安全のための制止であり、道徳教育ではありません。
3〜5歳(幼児期):理由を短く添える
3歳頃から言語理解が発達し、理由の説明が入るようになります。
- 短い文章で理由を説明する(「叩くと痛いから、やめようね」)
- 感情の言語化を助ける(「悔しかったんだね。でも叩くのはダメだよ」)
- 行動の代替案を提示する(「嫌なときは”やめて”と言おう」)
この年齢では、ルールの一貫性が特に重要です。同じ行動に対して、今日は叱って明日は許すといったブレがあると、子どもは混乱します。
6〜9歳(学童期前半):論理的な説明が効果的
この時期になると、因果関係の理解が深まります。
- 「その行動→誰が困る→どうしてほしい」の3ステップで伝える
- 本人が判断できるような問いかけを使う(「どうすればよかったと思う?」)
- 自分で考えて行動する機会を増やす
10〜12歳(学童期後半):自尊心を守りながら伝える
この年齢では、自己意識・自尊心が強くなります。人前で叱られることへの抵抗感が特に強まる時期です。
- 1対1の場で、対等に話し合う姿勢を持つ
- 「どう思う?」と本人の意見を尊重する
- 感情的にならず、落ち着いた大人の態度を保つ
思春期(13歳以上):命令より対話を
思春期の子どもへの叱り方は、それまでとは大きく異なります。
- 一方的な命令ではなく、対話形式で進める
- 感情論ではなく、具体的な事実と影響を伝える
- 子どもの言い分を最後まで聞いた上で話し合う
思春期の反抗は、健全な自立の一部です。この時期の「叱り」は、どちらかというと「話し合い」に近い形が適切です。
子どもに叱り方が伝わらないときに見直すべきポイント
何度叱っても同じことを繰り返す…そんなとき、叱り方以外に見直すべき点があります。
子どもの「できない理由」を確認する
叱られても行動が変わらない場合、以下の可能性を検討してください。
- 発達特性(ADHD・ASDなど)による衝動制御の困難
- 感覚過敏によって特定の行動が止められない
- 環境的なストレス(学校・友人関係など)による影響
- 体調不良(睡眠不足・栄養不足など)による不安定さ
「わかっているけどできない」という子どもも多くいます。「なぜできないのか」を責める前に、「できない理由」を一緒に探ることが大切です。
ルールが多すぎないか点検する
家庭内のルールが多すぎると、子どもはどれが重要か判断できなくなります。
- 「絶対に守るべきルール」は3〜5個に絞る
- それ以外は「できれば守ってほしいこと」として緩く伝える
- ルールの理由を子どもが理解できる言葉で説明する
褒める機会を増やす
「叱る」と「褒める」のバランスが偏ると、子どもの行動改善は難しくなります。行動科学では、強化(ポジティブフィードバック)のほうが、罰よりも行動変容に効果的であることが示されています。
| 叱るvs褒める | 効果 |
|---|---|
| 叱るだけ | 問題行動の抑制はできるが、望ましい行動は増えにくい |
| 褒めるだけ | 望ましい行動は増えるが、ルール設定が弱くなりやすい |
| 叱る+褒めるのバランス | 行動の方向性が明確になり、自律性が育ちやすい |
一般的に「褒める:叱る=5:1」程度のバランスが理想とされています。
親自身のストレスを管理する
親が疲弊しているときに叱ると、どうしても感情的になりがちです。
- 「自分が疲れているな」と気づいたときは、叱るタイミングをずらす
- 一人の時間を意識的に作り、精神的な余裕を持つ
- パートナーや家族と育児を分担する
- 専門家(カウンセラー・保育士など)に相談することをためらわない
「叱らない育児」は正しいのか?現代の叱り方論争に答える
近年、「叱らない育児」というアプローチが広まっています。この考え方について、正確に理解しておく必要があります。
「叱らない育児」の本当の意味
「叱らない育児」とは、「何をしても何も言わない」という意味ではありません。怒鳴る・感情的に怒る・罰を与えるという方法を取らず、論理的・共感的なアプローチで子どもと関わるという考え方です。
- 感情的な怒りをぶつけない
- ルールや理由を丁寧に説明する
- 子どもの自律性を尊重する
この意味での「叱らない育児」は、本記事が伝えている「伝わる叱り方」と方向性は一致しています。
何もしない放任主義との違い
一方で、「叱らない=何でも許す」という誤解もあります。放任主義(ルールも一貫性もない育児)は、子どもの安心感を奪います。
適切な「制限と愛情」の両方が揃ったとき、子どもは安心して育ちます。これを心理学では「権威ある育児スタイル(AuthoritativeParenting)」と呼びます。
| 育児スタイル | 特徴 | 影響 |
|---|---|---|
| 権威的(Authoritative) | 温かさ+明確なルール | 自律性・社会性が高い |
| 権威主義的(Authoritarian) | 厳格・冷淡 | 服従的・自己肯定感が低い |
| 放任(Permissive) | 温かさ+ルールなし | 自制心が育ちにくい |
| 無関心(Neglectful) | 冷淡+ルールなし | 深刻な発達への悪影響 |
最も子どもの発達に良い影響を与えるのは「権威ある育児スタイル」とされています(Baumrind,1991)。
アドラー心理学の「勇気づけ」を活用する
アドラー心理学では、「罰と叱責」ではなく「勇気づけ(Encouragement)」によって子どもを導くことを提唱しています。
- 結果ではなく、プロセスを認める(「頑張ったね」「諦めなかったね」)
- 「あなたはできる」という信頼を言葉と態度で示す
- 失敗を責めるのではなく、次にどうするかを一緒に考える
これは「甘やかす」ことではなく、子どもの内側から動機を育てるアプローチです。
叱り方で悩む親を支える専門的サポートとリソース
叱り方に悩んだとき、一人で抱え込まないことが大切です。利用できる専門的なサポートとリソースを紹介します。
相談できる専門家・機関
- 小児科医:発達に関する不安や疑問の入口として最適
- スクールカウンセラー:学校に関わる行動問題の相談
- 子育て支援センター:地域ごとに設置されており、気軽に相談できる
- 家庭児童相談室(市区町村):育児の悩み全般を受け付けている
- 児童相談所:より専門的な支援が必要な場合
親向けのペアレンティング(育児技術)プログラム
近年、科学的根拠に基づく「ペアレンティングプログラム」が普及しています。
- TripleP(ポジティブ・ペアレンティング・プログラム):世界25カ国以上で実施されている
- PCITプログラム(親と子の相互交流療法):子どもの行動問題に特化した支援
- マインドフルネス・ペアレンティング:親自身の感情調整を中心に据えたプログラム
これらのプログラムは、医療機関・子育て支援センターなどで利用できるものもあります。
おすすめの参考書籍(日本語)
叱り方を深く学びたい方には、以下の書籍が参考になります。
- 「子どもへのまなざし」(佐々木正美・著):子どもの心の成長を丁寧に解説
- 「0〜6歳子どもの脳と心を育てる怒らない育て方」:脳科学的根拠に基づく育児法
- 「怒らない、比べない、否定しない」(加藤俊徳・著):脳科学からの叱り方アドバイス
子どもの叱り方がわからないと感じたときの緊急対処法
どうしても感情が抑えられない瞬間に使える、即効性のある対処法をまとめます。
「タイムアウト法」を活用する
タイムアウトとは、問題行動が起きたとき、子どもを静かな場所に短時間座らせる方法です。罰として使うのではなく、落ち着く時間を作るためとして活用します。
- 時間は「年齢×1分」が目安(5歳なら5分)
- 指定の場所(椅子・廊下など)で静かに過ごさせる
- 時間が来たら「落ち着いた?一緒に話そう」と穏やかに接する
「Iメッセージ」で気持ちを伝える
「あなたが〜したから怒っている」という言い方(Youメッセージ)ではなく、「私は〜と感じている」という伝え方(Iメッセージ)が有効です。
Youメッセージ(NG):
「あなたがいつも散らかすから、ママは困っている!」
Iメッセージ(OK):
「おもちゃが散らかっていると、ママは歩きにくくて困るんだ。片付けてくれると嬉しいな。」
Iメッセージは子どもの防衛反応を下げ、話を聞こうとする気持ちを引き出しやすくなります。
「繰り返し叱っている内容」をメモする
同じことを繰り返し叱っているなら、叱りで解決しようとすること自体を見直す必要があるかもしれません。
- 繰り返し叱っている内容をメモに書き出す
- 「なぜそれが起きるのか」の根本原因を探る
- 環境の改善・生活習慣の見直し・役割分担の変更などを検討する
叱り続けることが習慣化すると、親も子どもも消耗するだけです。根本的な解決策を探ることが、長期的な改善につながります。
子どもの叱り方に悩む親へのメッセージ
「叱り方がわからない」と悩むこと自体、子どものことを真剣に考えている証拠です。
怒鳴ってしまったとしても、それで親失格なわけではありません。大切なのは、気づいたときに「ごめんね、さっきは大きな声を出してしまったね」と素直に伝えられる誠実さです。
子育ては、親自身も育ちながら進んでいくものです。完璧な親はいません。失敗しながら、少しずつ自分なりの「伝わる叱り方」を見つけていけばいいのです。
本記事が紹介した5つの基本は、どれも一夜にして習得できるものではありません。しかし、意識するだけでも少しずつ変わっていきます。今日からできることを一つだけ試してみてください。
子どもの叱り方に関するQ&A
よくある質問に答えます。
Q:体罰は一切ダメですか?A:日本では2020年4月から「民法改正」によりしつけを名目とした体罰が禁止されています。体罰は恐怖による服従を生むのみで、子どもの内発的な行動変容にはつながりません。
Q:子どもが全然言うことを聞かないとき、どうすればいいですか?A:「言うことを聞かない」理由を探ることが先決です。発達特性・環境ストレス・親子関係の問題など、複数の要因が絡んでいる可能性があります。専門家への相談も選択肢として考えてください。
Q:兄弟で比べて叱るのはよくないですか?A:比較による叱りは自己肯定感を著しく傷つけます。「○○ちゃんはできるのに」という言葉は絶対に避けてください。その子自身の過去と現在を比較する(「先週より上手になったね」)ことが有効です。
Q:叱った後、子どもが泣いてしまったらどうすれば?A:泣くことは感情表現であり、抑える必要はありません。「泣いてもいいよ」と受け止めた上で、落ち着いたら話を続けましょう。泣いているときに無理に言葉を続けることは逆効果です。
子どもの叱り方を変えることで育まれる「長期的な関係性」
子どもの叱り方がわからないと感じている方に、最後に伝えたいことがあります。
叱り方を変えることは、単に「しつけの技術」を磨くことではありません。それは子どもとの信頼関係を築くことであり、親自身の感情と向き合うことでもあります。
「正しく叱られた経験」を持つ子どもは、以下のような力を育みます。
- 自分の行動と結果の因果関係を理解する力
- 感情を言語化して表現する力
- ルールと理由を結びつけて考える力
- 大人(親・教師・社会)への基本的信頼感
これらは、子どもが大人になってから社会で生きていく上で欠かせない基盤です。親の叱り方が、子どもの人生に与える影響は計り知れません。
本記事で紹介した「5つの基本」を意識しながら、自分のペースで実践を続けてください。変化はゆっくりです。しかし確実に、親子の関係は変わっていきます。
本記事は発達心理学・行動科学・アドラー心理学の知見をもとに作成しています。個別の状況によっては専門家への相談が最善の場合もありますので、お子さんの状態が心配なときは、かかりつけの小児科医や子育て支援センターにご相談ください。

