人生、幸福感、充実感を向上させる最も確実な方法の一つは、目標を設定することです。
目標を書いた学生は、目標を書かなかった学生に比べて、より高い所得水準を達成する可能性が高いことが分かっています。
そして、効果的に目標を設定する方法のひとつが、中間目標を設定することです。
目標設定に真剣に取り組むべき理由は他にもたくさんありますが、まずは、中間目標の意味を定義しておきましょう。
日々の目標から生涯の目標まで、目標にはさまざまな種類がありますが、「中間目標」とはどのようなものでしょうか。
中間目標とは、今後3年から5年の間に達成したい目標のことです。ここでは1~2年の増減はありますが、3年から5年の間が目安となります。
何のために中間目標を使うのか?
中間目標とは、今年と来年に取り組んでいる目標と、より長期的な生涯目標との間のギャップを埋める目標のことです。例えば、退職するまでに退職金を増やす計画であれば、それは長期的な目標になります。そこで、そのギャップを埋める中間目標として、今後3年間で大金を貯めることにします。
長期的な目標の問題点は、その目標を達成したときに得られる報酬が、今の自分たちを興奮させるにはあまりにも遠すぎるということです。中間目標は、このギャップを埋め、報酬をより身近なものにします。
脳は、瞬間的な満足を求めるようにプログラムされています。
体内に脂肪が蓄積・保持される仕組みを除けば、体重を減らすには、食べる量を減らして体を動かすことが基本です。問題は、空腹を感じると、体が今すぐ食べ物を欲しがることです。空腹を感じると、体は今すぐにでも食べ物を欲しがります。そのため、いくらご飯を余分に食べても痩せないと分かっていても、脳が長期的な欲求よりも即効性を優先させるため、食べてしまうのです。
中間目標を踏み台にする
中間目標は、より大きな目標への踏み台と考えるべきです。目標を立てて達成する人が少ない理由の1つは、長期的なモチベーションが低下しているからです。あまりにも遠い未来の目標は、忘れ去られ、新年の抱負を考えるときに再び現れることが多いのです。
最終的に目標を達成できるかどうかは、「なぜその目標を達成したいのか」ということに尽きると思います。その理由は、目標に向かって自分を引っ張るだけの強いものでなければなりません。もし理由が十分に強くなければ、それは大きくて重い石をどこまでも続く坂道に押し上げるようなものです。逆に、なぜそのゴールを目指すのかという理由が十分に強ければ、磁石のようにゴールに向かって引っ張ってくれます。
もし自分の夢が「ヨットを所有する」というものであれば、それは学生時代の友人を感動させたいからであって、人を感動させるために何かを達成するというのは、目標達成の理由としては弱いので、最終的には失敗するでしょう。逆に、ヨットを持ちたい理由が、海の上での生活や、自然の中での平穏な生活を楽しむためのものであれば、その理由は達成に向けて自分を引っ張るのに十分な強さを持っています。
これが、中間目標を設定することが有効な理由です。中間目標は、長期目標を達成するために自分を引っ張る磁石の役割を果たします。
マイルストーンとパスウェイを作る
学校を卒業して、最初の仕事に就いたところを想像してみてください。自分の長期的な目標は、その会社の上級管理職になることかもしれません。しかし、それには10年から20年かかると言われており、20代の若者にとっては長い時間がかかってしまいます。
目標を達成しやすくするには、中間目標に分けて考えるといいです。例えば、一つの目標は、5年以内に管理職に昇進することです。3年から5年の間に達成したいことがわかれば、それを実現するための方法を考えることができます。
大きな長期目標があっても道筋がはっきりしないのではなく、長期目標の達成に向けて明確な道筋ができたのです。中間目標を達成したら、一旦立ち止まって考え、長期目標に向けた次のステップストーンを探すことができます。
この方法論は、フィットネスの目標にも有効です。
マラソンをしたことがない方は、まずは5km、10kmと徐々に距離を伸ばしていき、初マラソンに臨むという短期的な目標が必要です。例えば、5km、10kmと徐々に距離を伸ばしていき、初マラソンに挑戦することです。
このような短期的な目標は、最終的な目標に近づけるだけでなく、長期的な計画に到達するまで続ける動機にもなります。長期的な目標に向けて、自分を引っ張ってくれるのです。
中間目標の設定方法
中間目標の効果を最大限に発揮するためには、まず長期目標を設定する必要があります。
例えば、自分たち夫婦は、自分たちで設計した家を建てるという長期目標を持っています。自分たちは、自分たちで設計した家を建てるという長期的な目標を持っています。この目標にかかる費用を見積もったところ、かなりの額になりそうなので、ステップを中間目標に分けました。
一つ目は、総費用の50%をまかなえるだけの一定額を貯めること。次に、家を建てられるような土地を探して購入すること。そして、実際に家を建てることです。この長期的な目標の中に、3つの中間的な目標があります。お金を貯める、土地を買う、家を建てることです。
この長期的な目標を、メモアプリのプロジェクトセクションに設定し、どんな家を建てたいかのイメージを添えて(集中力を保つため)、これを3つの中間目標に分けています。現在は、お金を貯めるという中間目標にしっかりと入っています。
長期的な目標は、最終的な目的地です。それは、自分に方向性と朝起きる目的を与えてくれます。その目標をより達成可能なものにするために、中間目標は自分を軌道に乗せ、最終的に目的地に引き寄せるための足がかりを提供する役割を果たします。