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慢性的なストレスが短期記憶に与える影響

更新日:

慢性的なストレスは、脳の短期記憶システムに深刻な影響を及ぼすことが分かっています。
長期的なストレスから記憶が完全に回復するまでには、4週間ほどの期間が必要だと考えられています。

慢性的ストレスによる脳内の変化

慢性的なストレスは、脳内にマクロファージ(免疫細胞の一種)を蓄積させます。これにより免疫反応が低下し、記憶障害が生じます。

この状態が解消されるまでには4週間ほどかかります。
ここで言う慢性的なストレスとは、単なる講演や初対面の緊張といったストレスではありません。

むしろ、マウスの実験で再現された、社会的な敗北や嫌な上司からの継続的な圧力に相当する深刻なストレスを指します。

実験によるストレスの影響の検証

実験では、まずマウスのグループに迷路の出口までの経路を覚えさせました。その後、一部のマウスを「社会的に敗北した」状態に追い込みました。

具体的には、「アルファマウス」に繰り返し遭遇させることで、人間が嫌な上司などから受ける社会的ストレスを再現しました。

次に、すべてのマウスを攻撃的な侵入者に遭遇させ、迷路の中を出口まで走らせました。その結果、慢性的なストレスを受けていたマウスは、迷路の経路を思い出すことができませんでした。

一方で、ストレスを受けていないマウスはルートを覚えていました。

脳の変化と記憶障害

社会的に敗北したマウスの脳には、炎症が見られました。この炎症が短期記憶の問題を引き起こしていたと考えられています。

ストレスによって骨髄から免疫細胞が放出され、それらの細胞がストレスに反応して神経細胞の活性化に関連する脳領域に移動したためだと推測されています。つまり、記憶の中枢に免疫細胞が呼び出されていたのです。

しかし、記憶の問題は28日後には解決したことが分かっています。ただし、この期間が過ぎても、マウスには抑うつや社会的回避の症状が残っていました。

脳内の炎症を抑制する化学物質をマウスに投与すると、記憶障害は消失しましたが、抑うつ症状には影響がありませんでした。

以上の研究結果から、慢性的なストレスは脳内の炎症を引き起こし、短期記憶に障害をもたらすことが明らかになりました。

この記憶障害は一時的なものですが、ストレスが長期化すると、抑うつなどの別の症状が残る可能性があります。ストレス対策は脳の健康を守る上で非常に重要です。規則正しい生活習慣を心がけ、上手にストレスを発散することが求められます。

ガガログ編集部

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