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音楽が人の長期記憶と脳の能力に及ぼす驚くべき影響

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音楽は人間の認知能力に魅力的な効果をもたらすことが分かっています。特に、プロの音楽家は非音楽家に比べて長期記憶力に優れていることが実証されています。さらに、音楽トレーニングを受けた人の脳は、意思決定、記憶、注意力に関連する重要な領域において、より速い神経反応を示すことが判明しています。

音楽家のワーキングメモリと言語処理能力

先行研究によると、音楽的訓練を受けた人は、言語資料をより瞬時に処理することができ、ワーキングメモリにおいても優位性があることがわかっています。つまり、音楽家は言語情報の一時的な保持と操作において非音楽家よりも長けているのです。

しかし、この優位性が視覚的な記憶や長期記憶までも及ぶのかどうかは明らかになっていませんでした。もし音楽トレーニングが認知機能全般に良い影響を及ぼすことが証明されれば、認知障害者への新たな介入方法の選択肢となる可能性があります。

音楽家と非音楽家の長期記憶能力の比較実験

この疑問を解明するため、研究チームはプロの音楽家15人(全員が演奏歴15年以上)と非音楽家15人を対象に実験を行いました。参加者には一連の絵と単語を記憶させ、後に長期記憶テストを実施しました。同時に脳波計を用いて、記憶課題中の脳の神経活動も測定しました。

実験の結果、音楽家は言葉の記憶力よりも絵の記憶力に優れていることがわかりました。つまり、音楽トレーニングは視覚的記憶能力を向上させる可能性が示唆されたのです。

さらに、音楽家の脳活動を分析したところ、非音楽家と比較して全般的に神経反応が速いことが判明しました。特に、意思決定に関わる前頭前野(背外側部)の活動は、非音楽家よりも3分の1秒から5分の1秒速いペースでした。感覚、記憶、注意に関連する頭頂葉の活動も最大で1秒近く早い反応を示しました。

音楽トレーニングが認知能力に与える驚くべき影響

このように、音楽的訓練を積んだ人は、単なる言語や音楽の能力だけでなく、視覚記憶や脳の情報処理能力全般において優れた能力を発揮することがわかりました。

しかし、なぜこのような認知能力の向上が起こるのかについては完全にはわかっていません。おそらく、楽譜を読み解いたりメモリーに頼ったりするトレーニングが一因と考えられています。楽譜は視覚的かつ記号的な情報の組み合わせであり、これらを同時に把握・処理する能力が総合的な認知能力の向上につながったのかもしれません。

このように、音楽のトレーニングは認知能力に素晴らしい効果をもたらすことが次第に明らかになってきました。音楽教育の重要性が再認識される一方で、音楽を介した新たな認知リハビリテーション法の開発にもつながる可能性があります。

ガガログ編集部

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