不思議な新睡眠障害「睡眠時無呼吸症候群」の実態

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ガガログ編集部

眠っている間に上気道が何らかの原因で狭くなり、一時的に呼吸が止まる状態が繰り返し起こる病態です。10秒以上にわたる無呼吸が1時間に5回以上発生すると診断されます。無呼吸時には酸素不足に陥り、脳や心臓に重大な影響を及ぼしかねません。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群は、7人に1人が患っています。起床時の激しい混乱や不適切な行動を伴う珍しい睡眠障害です。混乱した状態から目覚めると、攻撃的になったり、出来事を完全に忘れてしまうこともあります。一般的な睡眠不足や時差ぼけとは一線を画す深刻な障害なのです。

高い発症率と要注意のサイン

最新の調査によると、実に15%の人が過去1年間にこの睡眠障害のエピソードを経験していることがわかりました。さらに、そのうちの半数以上が週に1回以上の頻度で発症しているのです。一過性の現象ではなく、睡眠時無呼吸症候群は意外と一般的な問題なのかもしれません。

特に以下のような人は要注意です。

・うつ病、パニック障害、不安神経症など精神疾患を患っている人(37%)
・抗うつ剤などの向精神薬を服用している人(31%)
・睡眠時間が6時間未満の短睡眠者
・睡眠時間が9時間以上の長時間睡眠者

これらの条件下では、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなる可能性があります。

未知の領域と今後の課題

睡眠時無呼吸症候群は、単なる睡眠障害の一症状なのか、それとも別の疾患カテゴリーに分類すべきなのかは未だ定かではありません。このような事態は過去にあまり知られておらず、発症の原因や治療法についてもよくわかっていないのが実情です。

しかし、高い発症率が明らかになったことから、今後は以下の点を解明していく必要があります。

・発症の正確なメカニズム
・効果的な治療法の開発
・睡眠時無呼吸症候群と他の睡眠障害や精神疾患との関係性

現状では、根本原因となる睡眠の問題を改善することで、症状が軽減される可能性が高いとされています。睡眠時無呼吸症候群は依然として未解明の部分が多い謎の障害ですが、今回の調査結果を手がかりに、解明に向けた研究が進むことが期待されます。

睡眠時無呼吸症候群に備える

一般の人々にとって、睡眠時無呼吸症候群は気をつけなければならない身近な問題です。自身の睡眠状態を把握し、問題がある場合は速やかに対処することが重要です。特に睡眠障害や精神疾患を抱えている方は、予防策を講じる必要があるでしょう。

例えば、以下のような対策が効果的と考えられます。

ポイント

・規則正しい生活リズムの確保
・ストレス解消とリラックス法の実践
・睡眠環境の改善(騒音対策、就寝時間の見直しなど)
・必要に応じて医師に相談し適切な治療を受ける

無呼吸の原因は?

上気道の解剖学的な狭窄が主な原因です。舌根の肥大や扁桃腺の肥大、顎の形状異常などが無呼吸を引き起こしやすくなります。さらに、肥満や加齢による筋肉のたるみも無呼吸のリスクを高めます。アルコールの過剰摂取も一時的な誘因となります。

無呼吸は重大な健康リスク

酸素不足は生命維持に不可欠な呼吸の働きを阻害し、心臓や脳に深刻なダメージを与えかねません。また、睡眠の質が著しく低下するため、注意力散漫や記憶力低下、さらには高血圧や糖尿病などの生活習慣病にもつながる恐れがあります。

症状にいち早く気づくこと

自覚症状としては、いびきが大きいこと、夜間に頻繁に目が覚めること、朝まで熟睡できないことなどが挙げられます。日中の強い眠気や頭痛、集中力低下にも注意が必要です。このような症状がある場合は、いち早く専門医への相談をおすすめします。

的確な診断と治療が重要

睡眠ポリグラフ検査によって徹底的に無呼吸の発生状況を調べる必要があります。原因に応じて、CPAPと呼ばれる陽圧呼吸療法や、手術による上気道拡張、体重管理などの治療が行われます。自己判断は危険です。専門家に助けを求めましょう。

予防は生活習慣の改善から

健康的な生活習慣を心掛けることで、ある程度の予防は可能です。適度な運動と食事制限による減量、禁酒、睡眠の質を高める工夫などが有効な対策となります。しかし、いったん症状が出た場合は、早期の治療介入が不可欠になります。

睡眠時無呼吸症候群は、生命に関わる重篤な疾患です。自覚症状があれば、速やかに専門医の診察を受けることが大切です。適切な治療を受けることで、よりよい睡眠の質と健康的な日常生活を取り戻すことができるでしょう。

睡眠は心身の健康維持に欠かせません。睡眠時無呼吸症候群のリスクを無視せず、良質な睡眠を確保することが何より大切です。

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